記者)次の世代に伝えていきたいことは-
駒野)やはり失敗を恐れずにどんどんトライしていくことを小学生、これは大人でもそうですけど、大切なことなので、そういうところは教えていきたいというか伝えていきたいなと思います

記者)自身もそれを一番大事にしてきたか-
駒野)失敗して消極的になれば次のプレーもまた消極的になってしまう。ミスしてもミスしてもやっぱり前を向いてやっていく、それがチームの力にもなるので。あとは自分の気持ちも前向きになるので、そういうところはこの23年間、忘れずにやってきました

そして・・・

記者)現役人生の中で1つ後悔するポイントがあるとすればどんなことか-
駒野)後悔…。これだろうと思うのは、やはり2010年のPK失敗ですかね

駒野は自ら続けた。

「その後は自分自身も落ち込むことはありましたけど、日が経つにつれてやっぱりサッカーしたいという気持ちになったので、自分にはサッカーしかないと思いました。当時ジュビロ磐田に所属していましたけど、チームメイト、ファン、サポーターがすごく励ましの言葉や応援してくださっているので、その人たちにもまた成長した自分を見せたいと思って、それを原動力にまたサッカーを続けることができました」

2010年ワールドカップ南アフリカ大会、決勝トーナメント1回戦、日本VSパラグアイ。試合はPK戦にもつれこみ、駒野は3人目のキッカーを任されたが、ボールは無情にもクロスバーに弾かれ失敗。日本はベスト8進出を逃した。

去年11月 あいテレビ撮影

あの日から12年。
駒野は引退を決めたその夜、FC今治の岡田武史会長に電話したという。

「本当にお疲れ様です。FC今治に来てくれてありがとう」

ワールドカップ南アフリカ大会で指揮を取り、共に日本サッカーの歴史を紡いできた岡田会長の言葉は、今治市民の思いと寸分違わず重なっている。