今年夏に行われる参院選は、自民党が公募で上野由佳氏を候補に選び、愛媛選挙区の構図が少しずつ見えてきました。上野氏は11日、街頭での活動をスタートするなど、愛媛選挙区の前哨戦が本格化しています。

自民・新 上野由佳氏(29)
「世界がびっくりするような経済発展を遂げてきた誇るべきこの国が日本であります。ただ、そうした日本も、今、大きな課題に直面しています。少子高齢化の問題、人口減少の問題、これ以上先送りにすることはできません。建国記念のこの日に、どうか皆さんで、次世代にどういったバトンを繋いでいくのか、責任世代として、どういったことを推し進めていくのか」

自民党県連の公募で選ばれ、今年夏の参院選候補に決まった上野由佳氏。建国記念の日の11日、街頭で初めてマイクを握りました。

5月に30歳を迎え「当選すれば史上最年少の参議院議員になる」とアピールしている上野氏。

応援に駆け付けた自民党の県議会議員たちは、政治の信頼を取り戻す役割に期待を寄せました。

山崎洋靖県議
「現在29歳、大変若いです。しかし政治を変えるという思いは大変強いものがある」

村上信太郎県議
「自由民主党は生まれ変わらなければいけない」

松山市の北条地区に生まれた上野氏。高校時代から政治の道に関心を持つようになり、進学した筑波大学では政治学を専攻。学業の傍ら自民党茨城県連に学生部を立ち上げ初代部長を務めました。その後、就職した東京のコンサルタント会社を経て、今回、地元の愛媛から国政を目指すことになりました。

初めての街頭演説を終えた上野氏は…。

上野由佳氏
「今、政治に一番足りないのが、20代、30代の声を届ける人なのかなと思う。忙しいお母さんたちとか、働くお父さんお母さんが、安心して子どもを産み育てるような、そういった社会になったらいいなと」

裏金問題などで逆風の自民党から出馬することについて聞くと…。

上野由佳氏
「私、政治家になることも自民党から出ることも、手段のひとつだと思っていて、県民の皆さんであったり国民の皆さんのために一番役立つ、自分の能力を最大限発揮して、皆さんのお役に立つにはどうすればいいだろうかと考えた結果がこのような形になった」
――勝機は?
「もうやるべきことをやるだけですかね」

同じく11日、無所属の現職・永江孝子氏(64)は、西条市議会議員選挙の候補者を応援するため、西条市内をまわりました。

無所属・現 永江孝子氏(64)
「私、実は3回落選経験がある。落選は痛いです。本当に自分が全否定されたみたいで落ち込むんですがそこから立ち上がるときに一番力がいる」

街頭演説では、子育て支援や介護職員の待遇改善などを訴えました。

記者が自民党の候補が決まったことについて受け止めを聞くと…。

永江孝子氏
「候補者がどういう方かよりは、私が挑んでいるのは自民党の石破政権という大きな大きな組織力を持ったところなので、とにかく気合いを入れて頑張ろうと思っているところです。石破さん、実は私、自民党総裁選の時にいいことも言っていたので頑張れって思っていたが、自民党と言う巨大な組織に取り込まれると、思っていることがなかなか実現できない」

また、参院選の大きな争点は裏金問題になると主張しました。

永江孝子氏
「裏金問題まだまだあると思う。参議院ではこれから審判を仰ぐということなので、お金で動く政治のままですか、それよりもちゃんと暮らしを大事にするような政治に変えませんか、ということで、国民の判断をいただく」

旧民主党で衆議院議員を務め、6年前の参院選で野党統一候補として自民党の新人候補を大差で破った永江氏。しかし、今年の選挙について、立憲民主党など野党各党のスタンスは決まっておらず、対応が注目されています。

永江孝子氏
――前回は野党統一候補だったが、今回は
「そうなったらいいなあと思って、そのための努力はしていきたいと思っている」

愛媛選挙区からは1月、参政党が原田慎太郎氏(35)の擁立を発表。

参政・新 原田慎太郎氏(35)
「この地元、愛着のある愛媛県で政治活動をしっかりと根を張ってやっていきたいと、そういった覚悟でこのUターンを決意しました」

原田氏は、日本の衰退が続いていると危機感を訴えるとともに、消費税の減税などによって国民の負担率を下げる政策などを掲げています。

原田慎太郎氏
「現在、国民負担率が45%を超えるような状況だが35%までキャップをはめてしっかりと国民の手元に金が残るような経済政策を訴えていきたいと考えている」

今年夏の参院選は、通常国会の会期が延長されなければ、投票日は公職選挙法の規定などにより、3連休中日の7月20日となる見通しです。