松山城の城山で発生した土砂災害の本格的な復旧工事を始めるのを前に、愛媛県が住民説明会を開き、出席した住民からは工事の安全性に対する懸念の声が出ました。
今年7月に松山城の城山で発生した土砂災害では、ふもとの市内緑町で住宅が倒壊するなどして3人が亡くなりました。
昨夜の住民説明会では、愛媛県と松山市の担当者から今後行われる、本格的な復旧工事の内容を説明しました。
それによりますと、工事は来年1月に着工、再来年の5月ごろ完了する見込みとなっていて、斜面の土砂崩れを防ぐ擁壁を設置するほか、落石防止の柵は増強するということです。
説明会には市も同席し、雨水の排水路設置や、土砂の流出を防ぐため、斜面をコンクリートなどで覆うことを検討していると説明したほか、災害の焦点の1つである山頂付近に設置された緊急車両用道路についても復旧の方針を示しました。
(松山市の担当者)
「緊急車両用道路については、火災などの災害から、松山城を引き続き未来に残していくためにも、また城山の維持管理を含め、必要なものと考えている」
これに住民からは安全性に不安の声が出ました。
(マンション住人・本田雅紀さん)
「そこの設計、施工管理というものが、果たして妥当だったのかという検証が宙に浮いている」
「調査とか検討とか検証とかがなされていない状態で、いくら説明して頂いて工事して頂いても、よく分からない、本当に安全なのか、大丈夫なのかなというところが心配」
(松山市の担当者)
「今回の災害の原因として、詳細な検討結果がまだ出ていない状態ですので、そこに関しては11日お答えできない」
松山市の担当は、工事の詳細については、「土砂災害の原因や再発防止策を検討する、県の技術検討委員会で了承されてから説明する」と述べるに留まりました。