菓子の製造は、まだ夜が明けきらない早朝に始まります。
工場に立つのは勝夫さんと息子で5代目の惠市さんです。


ぶどう飴の材料は水あめに砂糖、寒天と実にシンプル。
灯油バーナーで火をつける窯や単位が「匁(もんめ)」の秤など、製造に使う道具からは菓子づくりの歴史が感じられます。


一方で、息子の惠市さんは勝夫さんから「このくらい」と教わった量や温度を数値化するためタイマーや温度計も使っています。

(惠市さん)
「だいたいの量はあるんでしょうけど、それをちゃんと数字で残しておかないと後でつながらないので」

こうした工夫を重ねながら菓子づくりの歴史や技術が受け継がれています。

煮詰めた水飴に混ぜるのは遠野市内で収穫された山ぶどうを絞った原液です。

今年の遠野の山ぶどうは豊作で、収穫には勝夫さんを始めとしたまつだ松林堂のスタッフも参加しました。