「大槌伝承の館」と名付けられた施設は、もとは町内のフラダンス愛好団体の練習場所だった建物を改装して作られました。

住民が撮影した津波の被害や復興の歩みを記録した写真、震災に関わる資料など200点あまりが展示されています。
施設の立ち上げに際して、災害伝承の専門家として中心的な役割を果たした岩手大学の麦倉哲名誉教授です。

麦倉さんは震災直後から大槌町に入り町の人たちの協力のもと、犠牲者の調査や遺族の心の復興に取り組んできました。

(麦倉哲名誉教授)
「調査して終わりじゃなくて、集まろうという事で繋がりですね。遺族だったり被災地に関心を持ってる人の繋がりを続けようとそれがまた心の復興になる」

麦倉さんと共に施設の共同代表を務める大槌町の倉堀康さんです。
震災で両親を亡くし役場職員だったお兄さんが今も行方不明です。

(倉堀康さん)
「もう震災から13年経つと震災を知らない世代が出てきてる津波があったことすら知らない世代が出てきて風化が進んでいるのに危機感を感じてなのでこういう施設はあるべきかなと思っています」

倉堀さんが震災の伝承に取り組むきっかけとなったのは、津波で被災した旧役場庁舎の問題でした。