では、どうすればニオイを防げるのか、気になるのはその対策。
 「臭気判定士」の国家資格を持つニオイの専門家、化粧品メーカー・マンダムの久加亜由美さんに聞きました。

マンダム先端技術研究所 久加亜由美さん

 ニオイ対策によく使うものとして、汗を抑制する制汗剤と、殺菌成分・制汗成分によってニオイを抑制するデオドラント剤がありますが、久加さんによると、これらは使うタイミングと種類を正しく選ぶことが重要なんだそうです。

 マンダム先端技術研究所 久加亜由美さん
「汗をかいた後に制汗剤やデオドラント剤を使う人がたくさんいらっしゃると思うんですが、正しいタイミングは汗をかく前なんです。お風呂上がりなど、皮ふの上の細菌が少ない状態をキープすることが重要なので、汗をかく前に使うことが大事です」

 ベストな制汗剤・デオドラント剤の使用タイミングは入浴後、とのことですが、夜入浴して、寝て起きて、朝、外出されるという方も多いですよね。
 その場合は、寝汗をかいてるので、一度汗拭きシートや濡れたタオルで拭いてから、制汗剤・デオドラント剤をつけるといいそうです。
 さらに、ワキにはロールオンタイプ、胸や背中、足など広い場所にはスプレータイプなど、部位によって使い分けるといいということも教えてくれました。

 また、こういった“ケア”も有効ですが、嫌なニオイを防ぐには、そもそも汗をかくこと自体も大事なんです!
 医師の桐村里紗さんによると、「汗はかけばかくほど、いい汗になる」とのこと。

医師 桐村里紗さん

 というのも、実は汗には2種類あって、ふだん汗をかかない人は、いざ汗をかいたときに、皮ふの上がベタベタした汗になります。
 このベタベタが皮ふに残りやすく、細菌のエサになるので、ニオイやすくなってしまいます。
 一方で、ふだんから運動などで汗をかく人は、玉のようなサラサラした汗になります。

ふだんから汗をかく人の汗はサラサラ

 この汗は、すぐ蒸発して皮ふの上にとどまりにくいため、ニオイもしにくくなるんです。
 つまり、汗のニオイを抑制するためには、逆に汗をかいたほうがいいんです。
 具体的には、散歩やランニングなどの軽い有酸素運動や湯船にしっかり浸かるなど、一日一回は汗をかいた方がいいそうです。
 さらに、桐村さんによると「皮脂の分泌が増えやすい生活をしていると、若い人でも皮脂由来の古い油みたいなニオイが発生してくる」とのこと。
 体内で中性脂肪が増えると皮脂が出やすくなるため、暴飲暴食や甘いものの食べ過ぎ、アルコールの過剰摂取なども気をつけたほうがいいといいます。