「命の循環」フレンチの技で熊肉を美味しく

このように駆除されたクマが増える中、食材としての可能性を追求する料理人もいます。
札幌市西区にあるフレンチレストラン『レ・カネキヨ』では、5年ほど前からヒグマ料理を提供しています。

「命を奪ったものを人間の糧にできたらと思っています。せっかくなら私たちの技術で美味しくして、お客さんに食べてもらうのが一番だと思っています」とシェフの藤本清さんは語ります。

藤本シェフは、美瑛町や上富良野町などで捕獲されたヒグマの肉をハンターから直接仕入れ、ヒグマ特有の香りをハーブで抑えるなどフレンチの技法を用いて調理しています。
「ヒグマは切った感触が違います。筋肉の繊維が強いのか、噛み応えのあるお肉です」と藤本シェフ。

お店では骨や筋などを使ったコンソメスープなども提供し、余すことなく調理しています。
実際に料理を試食した取材記者から「思ったより癖がなく、食べやすい味。噛み応えはありますが柔らかい食感です。美味しいです」という感想が聞かれました。

藤本シェフはヒグマについて「どうしてもイメージから癖を想像されると思いますが、私の中ではジビエの中でも癖が少ないお肉だと思っています。北海道を代表する食材になれるのではないでしょうか」と話します。
ただ、シェフによれば、ヒグマは鹿ほど個体数が少なく捕獲も命がけのため、流通は高いハードルが残されているといいます。
また新鮮な肉を仕入れるには捕獲から12時間以内の処理が必要で、スピード感が重要になります。










