「正直、病床確保しないほうが経営としては楽だが…」

病院の経営維持に必要な売上げは、1ベッドあたり少なくとも1日4万円。それだけのコストがかかっているからで、ベッドを空けておく補償が3万6000円に下がると、1床あたり4000円の赤字が毎日積み上がっていく計算になります。
(さくら総合病院 小林豊院長)
「正直、病床確保しない方が病院の経営としては楽になります。ただ、やはりまたこれから来るかもしれない、“第9波”に向けて病床確保しないでいると、急遽その大波がやってきて、多数の患者さんを受け入れなきゃいけないというときに、立ち行かなくなってしまう」
Q.今、こちら30床ありますが、29床ほぼ空あいてる状態ですよね。今後はどのぐらい病床確保していきますか?

(さくら総合病院 小林豊院長)
「これまでの我々が経験していた感染の波を考えると、埋まるんです。感染を契機に入院が必要となったという方々が、入院できずに自宅や施設で亡くなってしまうということを避けなければいけない。そう考えると、この30床は確保し続けなければいけない」

長年の医療費削減政策によって、各病院のベッド数はそもそも余裕のない状況ですが、空床補償が半額になることで、コロナ専用病床を減らす病院が増え、感染拡大時に、入院出来ない人が出てくる恐れがあるのです。
(さくら総合病院 小林豊院長)
「うちみたいに民間病院で、そもそも看護師が、公立、公的病院に比べて少ない状態で回している病院が、多数のコロナ患者を診るというのは、間違いなく背伸びしなきゃいけない。背伸びをし続けると足がつりますよね。足がつっても背伸びをし続けるっていうのが、民間病院におけるコロナ医療」
新型コロナという病気がなくなったわけはなく、重症化しやすい変異株が出てくる可能性もある中、あの戦いを経験した医療現場にとっては、対策が縮小されることへの不安はぬぐえません。

5類への移行について、医師会はどう考えているのか伺いました。