バッシングこそ“エネルギー”
17日間と長い闘いとなる参院選では、失言や不祥事などは命取りになる。政治とカネの問題が争点にもなった去年の衆院選では、自民党の党本部から公認されていない候補が代表を務める政党支部に、2000万円が振り込まれていたことが発覚した。
これが投開票日の3日前だったため、自民党に強烈な向かい風となり、少数与党に転落したことは記憶に新しい。今回はどうだろうか?ご多分に漏れず、自民党は鶴保庸介参議院議員の被災地に関する「失言」で、より失速した可能性がある。
参政党も神谷代表に関する週刊誌の記事や過去の発言が取り沙汰され、他党からも、SNSなどでバッシングを受けた。しかし、このバッシングは参政党の党員の結束をより強め、むしろこれをエネルギーに換えて支持を集めていったように見えた。相手が攻めれば攻めるほど「逆効果」で、参政党の思う壺だと気づいていた政党は少なかった。
もちろん、「日本人ファースト」というキャッチコピーが、国民を向いていない政治をしたと判断された自公政権や、それを打破できないと見なされた全ての政治家に対し嫌気がさした有権者の心に刺さったことは間違いない。
参政党の党員の多くは、これまで政治に関心が薄かった人が多く、政治活動を初めて経験した人が殆どだという。「これまでは政治ってこんなものか、と諦めていたが限界を超えた」と党員の一人が政治参加の理由を語っていたのが印象的だった。

今回の参院選で、参政党は永田町で一定の勢力を持つまで大きくなった。ただ、気になることがある。この人気は一過性のものなのか?という疑問だ。これまでも時代は新党を必要としたが、その多くは時代の波にのまれ消えていった。参政党もそうなのか?新党にありがちな賞味期限はすでに迫っているのか。