警報機と遮断機の設置には「2000万円~3000万円の費用」が…

第4種踏切はこの20年で半減したものの、全国にまだ約2400か所あります。岐阜県内には、明知鉄道などローカル線を中心に109か所。全国で4番目の多さです。

国は、警報機や遮断機を設置するか、渡れないように踏切を閉鎖するよう求めていますが、鉄道事業者側も苦しい事情を明かします。

(明和鉄道 渡邉康正専務)
「第4種踏切の解消については鉄道会社として努力しなければいけないが、廃止するとなると、利用している住民の反対意見がある。(警報機と遮断機を設置する)第1種化については、経費などいろいろな問題があるのですぐには対応できない」

警報機と遮断機を設置するには、1か所につき2000万円~3000万円の費用がかかります。JR東海などは、第4種踏切を廃止し、利用状況に合わせて第1種化を進めています。国は踏切整備の補助金を出していますが、明知鉄道のような地方の赤字ローカル線では、なかなか設置は難しいのが現状です。

(明和鉄道 渡邉康正専務)
「(お金は)乗客の安全を確保するために使っている。線路を横断する人のためにさらに投資するとなると、やはり優先順位としては次になってしまう」

「第4種踏切」がこども園の目の前にも…

岐阜県恵那市の「明智こども園」の目の前にも、第4種踏切があります。散歩の時はいつも、この踏切を渡らなければなりません。先生が注意深く見守りながら、交通ルールを教えることで、子どもたちは地域に数多く残る第4種踏切の渡り方を学んでいます。

(明智こども園 増田尚子園長)
「(子どもは電車に)興味があるので、近寄りたくなる気持ちもある。職員が『気を付けて渡るよ』と言葉にして伝えながら渡っています」

危険でありながら、なくならない第4種踏切。JR西日本では、費用が10分の1で済む「手動の遮断機」を応急的に設置し、事故が減少しています。地域の暮らしに必要な踏切をなくすのか、税金を投じて残すのか、少子化や過疎が進む地方での対策が求められています。

CBCテレビ「チャント!」4月17日放送より