能登半島地震の影響で、新潟市でも建物が傾くなどの被害が出ています。
新潟市西区で居酒屋を経営する男性(73歳)は、店を畳むことを考えながらも「今は客に元気な姿を見せたい」と営業再開への準備を進めていました。
【居酒屋・佐多幸 長谷川定夫さん】
「本当は長くやりたいんだけども、また地震が来たらもうもたないでしょうね」

長谷川定夫さんが営む居酒屋・佐多幸は、店の看板が傾き、店舗前の地面も大きく割れていました。被害は建物の中にもおよび、地面に大きな亀裂が入って空洞ができたために、コンクリートを流して応急措置をとったそうです。
「深いですね。だいたい15~20cmくらいありますね」

さらに、建物が傾いて戸が開かなくなるなど、地震から1週間が過ぎた今も、被害の爪痕はいたるところにありました。

「長く作業しているとやっぱりふらっとする感じですね」
「客からすると“酔ったのかな”って感じですね。飲まないうちにね」
アジの刺身やスッポンなどの海の幸が売りの佐多幸。
長谷川さんは45年間、夫婦で力を合わせて店を切り盛りしてきましたが、地震保険には入っておらず、建物の被害をどうしていくべきなのか途方に暮れています。

「先が見えないですよね。本当にどうしたらいいんだろうなって感じで」
「“廃業”もやっぱり頭にありますね」
「直すかやめるか」
先行きが見えない中でも、できることから。
店での飲食を楽しみに待つ客のことを一番に考え、9日に店を再開しました。

「元気な姿をね、なんとかやれるよと」
「今まで来てくれた人、来てくれる人を大事にしようかなと思って。それからおいおいとまた考えていこうかなと」
「まずは開けてみようと。ただそれだけですね、今ね」