一緒に英語教室に参加した埼玉県の会社員・亮太さん(44)や東京都のかおりさん(44)、新潟市のともこさん(44)は、親しみを込めて、私たちが“順子”と呼び捨てで呼んでいたことを記憶している。
「英語への興味をかきたててくれた。年代も近かったのがよかった」亮太さんは、順子さんの英語教室をそう振り返る。

英語で映画を見たり、英語で演劇風のやり取りをしたり…。そしてみんなで「Top Of The World」を歌った。カセットテープは「繰り返し聴いて覚えて」と配られたものだった。
ともこさんは、今もその曲を聞くと、順子さんと英語教室のことを思い出す。「とても素敵な夏休みの思い出だった」


英語教室が終わった後、私たちは順子さんと手紙のやり取りをした。私のところに届いた手紙には、東京はとても涼しく過ごしやすい日が続いていること、夏休みが終わり学校が再開しても頑張ってほしいという激励のメッセージが書かれていた。
かおりさんが「字がキレイだね」と手紙に書くと、「大学に入る時にいっぱい勉強して、いっぱいノートに字を書いたからかな?」と返してくれた。かおりさんには、アメリカへの留学が決まった喜びも伝えていた。「交際相手がアメリカにいるから、楽しみ」とも書いてあったという。

英語教室から3年後、私たちは思わぬ形で順子さんと再会することになる。