これで「雪国リトリート体験会」は終了です。
降ろしていた普段の生活での役割を再び背負い、父親、母親、課長・係長に戻ります。ひろさんは老後の人生をどう過ごすか、問いの答えは見つかりませんでしたが、この体験会で得るものがあったそうです。

ひろさん
「ふと風が吹いたときにその大きな葉っぱが揺らぐ。自分の問いに対して、サインというか答えを返してくれる。自分自身と向き合うきっかけ、やり方を改めて知ったかなという感じ」
一方、大学生のしゅうやさんは、何に我慢しているかという問いの答えは見つからず。それどころか「新たな問い」も芽生えたそうですが、これを前向きに捉えています。

しゅうやさん
「今、大学生なんですけど、正直身についているかと言うと、そんなこともなくて。大学で何をやりたかったのかとか、何で大学生になったのかという(問い)が出てきた。問いがなくてダラダラというか生きていくよりも、問いを考えながら生きていく方が有意義かなと、自分的には思うので。それでポジティブに捉えています」
体験会を通して、主催した新潟県の担当者も手ごたえを感じていました。
新潟県 南魚沼地域振興局 企画振興グル―プ 桑原貴昭さん
「観光地ではないが、とてもいいフィールド。自然、文化、そういったものがあるので、それをなんとか生かせないかと。今までの『普通の観光』とは違い、『深い内省』を促す新しい旅のスタイルとして広げていきたいと、手ごたえを感じている」

地域を再生し、私を再生する―
自分と向き合う新しい旅行スタイルが雪国で今始まろうとしています。
新潟県は、2泊3日で6万円のプランとインバウンドも見据えた15万円のプランを検討していて、今年度中から雪国リトリートを始めたいとしています。