新型コロナウイルス感染、顔面の腫れ…「誰も助けてくれない」

2年前の2023年、金子さんは新型コロナウイルスに感染しました。

要介護の夫と母にも感染しましたが、彼らはすぐに回復。しかし、金子さんだけが重症化し、「丹毒」という感染症を併発。顔が“お岩さん”のように腫れ上がり、39℃を超える高熱でフラフラの状態になりました。

当時を振り返る金子裕美子さん

医師は「即入院」を勧めましたが、家には要介護の2人がいます。しかも新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者であるため、ショートステイもデイサービスも使えません。

「入院するわけにいかないので、帰してください」

そう言って這うように帰宅した金子さんを待っていたのは、地獄のような孤独でした。

「ずっと介護を頑張ってきたのに、一番私が辛い時に誰も助けてくれない。このまま死ぬしかないのか」

高熱の中、本気で心中まで考えたといいます。