「職を賭して信を問うプロセスを経たい」

2018年に新潟県知事選に初挑戦した花角英世氏。
「信を問う」という言葉を公の場で発したのは、出馬の2日前のことでした。県内市長の有志17人が、花角氏を自主的に応援する組織を立ち上げた日の発言です。

「(県の検証は)2・3年かかるでしょう。その出てきた結果、検証結果については、熟慮して一定の結論を出し、それを県民の皆さんに、職を賭して信を問うプロセスを経たい」

このとき、たとえ任期途中であっても「知事の職を賭けて信を問う」と述べたのです。

実はこの『信を問う』という言葉は、市長側の提案から生まれたと、当時の新潟市長・篠田昭氏は言います。

「当時の国定勇人三条市長から電話が来て、『今、非常に厳しい情勢だ』と。原発へのスタンスが明確になっていないことが苦戦を招いているんじゃないか、というやり取りの中で、国定さんからの提案として『重大決断をする場合には県民に信を問う』という方向でどうだろうかと」

市長有志の支援組織で、国定氏とともにまとめ役を務めていた篠田氏は、相手候補が原発再稼働に慎重な姿勢を打ち出していたことから、花角氏としても再稼働問題に明確な態度を示す必要があったといいます。

「花角さんは筋をしっかり通す人で、自分が納得できないことはなかなか『うん』と言わない人なので心配だったんですが、お会いして若干の打ち合わせをしたら、『私はそれでいかせてもらう』と、『職を賭してやる覚悟だ』と」