その実情を聞いて動き出したのが、関川村の工務店『ハウジングワーク本田』に務める海野大輔さん。サンプル品を見せてもらいました。
「室内に張るような板で、クマ剥ぎ材を加工したものです。表面だけしかひっかかれていないので、製材すると傷なんか分からない」

クマ剥ぎ被害を受けたスギから、“使える部分”を取り出した『ベアウッド』。
関川村森林組合と大川屋製材所とが手を組み、あえてクマ被害を“明示”して行う、新たな利活用の方法です。
「僕が見る限り、使える部分はまだまだ使えると思った」という海野さん。
「風合いが、普通の木よりすごく出やすい」と『ベアウッド』の特徴を話します。

『クマ剥ぎ被害』を受けた杉でも、木の中心部分の「赤身」と呼ばれる色の濃い部分はまだ使えることもあり、被害を受けた部分の周囲は“塗料が染み込みやすくなる”という特徴もあるそうです。
深い色あいやそこに至る物語も含め、『ベアウッド』がお客さんには好意的に受け止められていると話します。













