2024年1月の能登半島地震で発生した液状化現象による被害に対して検討している対策工事について新潟市は4日、住民の負担額について1坪あたり5250円にすると発表しました。50坪の土地であれば、26万2500円になります。
新潟市は、被害が大きかった西区と江南区の一部のエリアで“地下水を抜く対策工事”を行う計画で、工事は3000平方m以上の面積でかつ住宅が10戸以上ある「街区」ごとに行い、地権者全員の合意が必要です。

当初新潟市は、液状化対策工事の住民負担額については10月中旬に実施する住民説明会で示す予定でしたが、住民の声を受けて前倒したものです。
【新潟市 中原八一市長】
「30年間の維持管理費の総額部分について、市が50%、住民の皆さんからは残りの50%をご負担いただきたいという考えです…」
国の補助制度を活用しつつ工事費用は全額行政が負担し、“30年間”の施設維持管理費用の一部については、住民に負担を求める形となりました。

新潟市はこれまで、中越沖地震の際に1世帯当たりおよそ60万円を負担したという柏崎市の例を挙げ、工事費用の高騰などから「住民負担額がより大きくなる可能性がある」と説明していましたが、今回の発表では、住民負担は50坪で26万2500円になります。

【新潟市 中原八一市長】
「ゼロにはできなかったですが、新潟市としてはできるだけ負担を軽いものにしたつもりですので、新潟市と一緒になってこの事業に取り組んでいただくことを期待したい」

ただ被災者からは、そもそも住民負担を求められること自体に対する“疑問の声”も聞かれます。
【工事対象地域の住民】
「できれば市の方で持ってもらえれば、住民の方は助かります」
「インフラだから、市が持つべきだと思うけどね」
また新潟市が、“30年後”以降に施設維持管理費用の新たな負担を求めるかどうかは検討中だとしていることについても、不安の声が聞かれました。
「土地を売ったとして、新しく買った人は『そんなこと聞いてませんよ』とか、必ず問題が出てくるんじゃないかと思っています」

住民負担額が示されたことで住民との合意形成に焦点が当たるなか、新潟市は、10月10日から3回にわたって住民説明会を開催した後に、住民の意向の確認を行うとしています。