オンライン教材で「水俣病は遺伝する」という“誤った情報”を配信していた『家庭教師のトライ』の運営会社役員と教材を作成する社員らが2日、胎児性水俣病患者の古山知恵子さんと新潟市北区で面会しました。

胎児性水俣病とは、母親が妊娠中にお腹の中でメチル水銀が胎盤を通って赤ちゃんに入ることで発症する水俣病です。

胎児性水俣病は遺伝ではなく、「水俣病が遺伝することはない」と環境省は明確に否定していますが、トライグループでは、中学生向けのオンライン教材で「水俣病は遺伝する」という誤った情報をおよそ10年間配信していました。

これを受けてトライグループでは、正確な情報を教材に生かすために、8月にも新潟を訪れ現地での研修を行っています。

胎児性水俣病患者の古山知恵子さんは面会で、患者としての苦しみや自由に生きられない思いを筆談で伝えました。

「水俣病で苦しんでいる人がたくさんいます。私もこういう状態で苦しんでいます。でも、偏見を持たないでほしいと思います」

トライグループの阿部正純執行役員は、古山さんとの面会後「やはり大切なことは正しい情報発信をするということだと思いますので、本日の古山さんのお話を踏まえまして今後の教材制作にそういったことも十分留意して進めてまいりたい」と話しています。

【胎児性水俣病患者 古山知恵子さん】
「トライがきちんと調べないで学習資料にしたことは、ひどいことだと思います」
「ちゃんとこれからは伝えてくれることを祈っています」

トライグループでは今後、こうした研修の内容を踏まえた教材づくりを進めていく方針です。