通信制の高校へ行き、卒業後に飲食店で働き始めた中村さんは、その間も生きづらさを抱え続けていました。摂食障害などで栄養を十分に取れず、体重が30キロを下回ったことも… その生き方は「静かな自殺」をしているようだったと例えます。

そんな状態から抜け出せたきっかけは、24歳で精神科の病院に入院し、同じ境遇の人に出会えたことでした。
中村優美さん(40)
「『私も死にたいけど、あなたが死にたいのも知っているけど、死んだらお互い嫌だよね』って。『私が死んだら嫌だから、あなたも生きようよ』みたいなことを言い合えるくらいの友達ができたりして…」
人と生きづらさを共有し、『完璧に生きなくていい』と気づいた時に、およそ10年間抱えていた生きづらさが和らいできたということです。

中村優美さん
「人間は弱いまんま、弱みを見せ合いながら支え合って生きてるものなんだなということにだんだん気付けていったら… 自分に生きてる価値がないかもしれないという思いが、別にそのままでもいいんだなって、ほぐされていったような感覚があって」
カウンセリングルームさくらの小林代表も、人に話すことは非常に重要で、ネットで気持ちを吐き出すことも一つの手段だと話します。
カウンセリングルームさくら 小林奈穂美代表
「ここにたどり着けない子たちもたくさんいるはずなので、そういう(SNSのような)ツールを使うでもいいですし、実際の相談機関をもっとどんどん紹介していくでもいいですし、そうやって子どもたちのお話を聞いていけるようにする体制ができてきたらいいなとは思います」