ピッチを走り、鋭いパスを出す工藤昌男さん。今年日本スポーツ協会から表彰を受けた青森県内最高齢88歳の現役サッカー選手に競技への思いと元気の秘訣を聞きました。
フィットネスバイクにまたがり軽快にペダルを漕ぐ、工藤昌男さん。1935年生まれの88歳です。日課の10分間のトレーニングを涼しい顔でこなします。

※工藤昌男さん(88)(Q.息切れしてないですね。)「これぐらいなら全然。かなり体が締まります」

それもそのはず…工藤さんは八戸市のシニアクラブに所属する県内最高齢の現役サッカー選手です。1951年に競技を始めると、20代のときには天皇杯にも出場。強いフィジカルで狙った獲物を逃がさないことから「マムシの昌男」と恐れられました。
88歳になっても週に1回、2時間の練習に必ず参加する工藤さんの姿はチームメートに刺激を与えます。

※佐々木浩美さん(当時62歳)「工藤さんに負けたくない。自分より年長のやっているのに自分がサボっていられない。」※嶋脇秀一さん(当時73歳)「年上がいるとまだやめられないなって。引退できないなって」

2023年6月、青森県サッカー界のレジェンドには新たな勲章が贈られました。73年の競技歴を評価され日本スポーツ協会の「グランプリ」を受賞。サッカー部門では東北で初めての快挙です。工藤さんはどうしていつまでもピッチに立ち続けられるのかー。そのわけはとてもシンプルなものでした。

※工藤昌男さん(88)「(サッカーが)財産になっている。そのおかげで体もあっちが悪い、こっちが悪いと病院に行くことがほとんどなかった。運動はなんでもいいから自分の好きなものを続けた方がいい」

工藤さんが通う高齢者施設の利用者も驚きを隠せません。

※施設の利用者は「走るのも大変だけどボール蹴りながらでしょ。88歳には見えない。すごいなと思って」立ち止まることなく駆け抜けてきた競技人生。工藤さんの尽きない情熱の源にはサッカー界への恩返しの思いがあります。

※工藤昌男さん(88)「今までサッカーを育ててきたような感じはありますが、サッカーに育てられてきました。せっかく盛り上げたサッカーをなんとか継続させる。だからそのために体を丈夫にしなければ」「継続が信念」ー。

工藤さんが抱くいまの目標は。

※工藤昌男さん(88)「生きているうちサッカーをやりたいと思っています。年に関係なく」米寿のサッカープレーヤーは生涯現役を掲げ、大好きなサッカーボールを追い続けます。

工藤さんは早寝・早起きと好き嫌いしない食事、そして無理をしない運動が健康の秘訣で、これまで大きな病気にかかった事なく、記憶にあるのはサッカーでのねん挫くらいだということです。