新生活に向けて、これからピークを迎えるのが引っ越しです。ただ、今年は物価高騰の波は引っ越し費用にも影を落としています。県内の現状とともに、金額を抑えられるとして人気が高まっているサービスを取材しました。

春から新生活を迎える人たちにとって、いま、悩みの種となっているのが引っ越し費用です。予算を考慮して対応も様々です。

※引っ越し業者に依頼する人は
「(引っ越し費用は)けっこう高い、お金かかると思った。(家具も)自分でそろえる形になるので、またお金がどんどんかかる」


※自分で引越しする人は
「大きいものを持っていくこともないので、なるべく自分ですませたいと思っている。お金もかかるので。初任給がまだ入ってこないので、コストをかけないでやっていこうと」


※実家で暮らす人は
「1人暮らしも考えたけど、電気代高騰もあるので、実家暮らしからお金をためていこうと思います」

費用が割高になる要因の一つが、運送会社の値上げです。事業者と契約して社員の引っ越しなどを手がける弘前市の丸祐運送では…

※丸祐運送 田澤祐司社長
「人件費と燃料費資材高騰(引っ越し代が)2割から3割上がっています」

今シーズンは値上げに踏み切りましたが、物価高騰の影響は大きく、価格転嫁しきれずに自社の利益率も削っているのが実情です。このため、受注件数は前年比で約1.5倍にのぼりましたが、利益は昨シーズンを下回っているといいます。その中でも、サービスの一環として利用客に金銭的な負担を軽減できる方法を提案していました。

※丸祐運送 田澤祐司社長
「段ボールを販売しているのですが、一度使ったものをお客さまに無料で貸出するとか、ハンガーボックスをその都度変えるのではなく再利用している」

このほかにも、費用を抑えるための手段として人気が高まっているのがリサイクルショップです。

※店の担当者は
「こちらが売約済みの商品になります。単身用の小さめの冷蔵庫と洗濯機が売れ筋になっております。(冷蔵庫と洗濯機は)1日2セットずつぐらい売れている」

青森市にあるOFFHOUSE(オフ・ハウス)は、3月の家電製品の売れ行きが去年より2割以上アップしました。また、今年は青森市から転出する人などから買い取りの依頼も増えているため、店頭の在庫も豊富になっているといいます。さらに、県内でも引っ越しの方法や時期自体を見直す動きがでています。

※リポート 須崎蓮記者「こちらはレンタル収納スペースです。広々とした空間で大きな家具も収納することができます」

トランクルームを全国で運営している企業・ハローストレージは青森県内では2019年に八戸市でサービスを開始。その後、需要の高まりを受け、今は青森市2か所と八戸市1か所の計3か所で事業を展開しています。現在、県内で契約している部屋は屋内型と屋外型あわせて75室で、この1年間で32室増え、1.7倍に跳ねあがりました。

※エリアリンク 小川真澄さん
「屋外型はコンテナの前に車を横付けすることができるので、比較的大きな荷物をすぐトランクルームに入れられる。屋内型は空調設備が整っているため、自宅と変わらないような状態で荷物を収納できる」

使用料は屋内型は青森市が0.8畳で月額5900円から、屋外型は青森市が1.5畳で月額6300円、八戸市が月額3500円からです。部屋は最短で1か月から契約することができるという手軽さも受け、荷物を預けて引っ越し時期をずらすなどという人も多く、いまは利用客全体の2割が引っ越しに関連した用途だということです。

※エリアリンク 小川真澄さん
「引っ越し代が高くなる時期にトランクルームを利用いただいて、他の時期に引っ越し作業をしていただいて金額を抑えることができます」

あらゆる業界で広がる物価高騰で財布に厳しい日々が続く今年、引っ越しだけでも費用を抑えようと様々なサービスが広がりを見せ始めています。