青森県外で活躍する青森県民をご紹介すりターニングポイント。人生の転機となったその時、どんな思いや決意があったのでしょうか?今日のストーリーは青森市出身・フランス料理シェフ鳴海陽人さん。現在は東京神楽坂にあるミシュラン一つ星フレンチレストラン・フロレゾン神楽坂でシェフをしている。


鳴海の幼少期は外で元気に遊ぶ、好奇心旺盛な子どもだった。


鳴海さん「家にいないっていう感じ。外でよく遊んでるとかそういう感じだと思います。
割と活発に何か動いてたみたいですね」


高校生になり、その好奇心は友達やバイクへ。高校を1年で中退、2年間何の目的もなく遊んで過ごしている息子に、親はある助言をした。

鳴海「当時、自分の親からですね『このままじゃお前(将来)生きていけないから、とりあえず手に職つけろ』と。それで美容師か料理人か、ちょっと限られた選択肢の中だったんですけど、親が言うには『料理にやったらご飯に困ることないでしょ』みたいな、そういうノリですよね」


料理の専門学校卒業後、秋田の洋食店から始まり、JRグループのホテルで宴会料理などを担当。そしてそのグループの研修で東京へ。そこで今後の運命を変えるシェフに出会う。

■フレンチへの扉 中村勝宏シェフとの出会い


鳴海「ホテルメトロポリタンエドモンドの中村シェフのレストランがリニューアルオープンするということで1ヶ月ちょっと研修に行かせていただいたんですよ。最初会った時はもう、ものすごいオーラですね、もう近寄っちゃいけないんじゃないかっていうぐらいの。やっぱり日本のフランス料理界の頂点にいる人なので」


鳴海は中村シェフの影響でフレンチを極めたいという気持ちが強くなり上京。
メトロポリタン丸の内を経て、ミシュラン三ツ星レストラン・ピエールガニェール東京店へ。しかし、本場のフレンチ料理店の厳しさを知ることになる。


鳴海「先輩たちがもうフランス語でやり取りもちろんしてますし、シェフもフランス人で。全然通用しなかったですよね、基礎もわからず実力も何もなく…。結構落ち込むというか悔しい気持ちで、1年間過ごして…」


このままでは駄目だと自分を奮い立たせ、初心から学ぶ気持ちで新たなレストランへ。

■名門フレンチとミシュラン


鳴海「エメ・ヴィベール(当時ミシュラン二つ星)は東京のレストランの中で一番長くつとめた場所なんですけども、そこではやっぱりもうフランスの食材しか使ってないっていう、なんか異次元な、自分の中ではもう信じられない職場だったんで。もう負けられないなと。先輩たちを早く超さないと先はないな、という感じでした」


そして鳴海はさらなる自分のステージを高めるため、フィリップ・ミル東京へ。
副料理長を務め、そこでやっとフレンチシェフとして自信から確信に変わった。


鳴海「やっぱり料理っていうのは人を喜ばせるものですよね、死ぬまで努力して勉強することかなと思います。それはもちろんお客さんに楽しんでもらいたい、美味しい料理を召し上がっていただきたいっていう気持ちですよね。」


そして現在、フロレゾンをミシュラン一つ星を2年連続獲得へ導く。(ミシュランガイド東京2022/2023)


フレンチを極め続ける鳴海の探究心と向上心はこれからも変わらない。

■In the future

鳴海「より今までよりも自由に自分の料理っていうのを提供していきたいなという気持ちはあります。やっぱり地元帰ってそういう提供する場がもしあるんだったら、そういうこともしてみたい」


鳴海「幸せになりたいなと思ってますけど、まだまだこれから頑張らなきゃいけない」


フロレゾン神楽坂(東京都新宿区神楽坂3-6-29 MIビル2F)
佐々木利雄オーナーソムリエと鳴海陽人料理長