青森県内の優れたものや取り組みに迫る「キラリ逸品」です。きょう11月1日は、全国すし商生活衛生同業組合連合会が定めた「すしの日」です。

今回は、約40年の間、「ふるさとの味」として愛される弘前市のすし店の「海鮮太巻き」です。弘前市元寺町にある「寿司蔵(すしくら)」の店主、原子清蔵さん、72歳です。


すし職人を目指して17歳から修行を重ね、1976年、26歳の時にこの店を出しました。
開店初期から、約40年の間、握りずしとともに店を代表する味として人気なのが海の幸をふんだんに使った「海鮮太巻き」です。


太巻きは、その地域や店によって具材のバリエーションは様々。
寿司蔵ではサーモンやエビなど11種類を使います。そして、これらの具材の良さを一層、引き立たせるのが「すし飯」です。
使うのは、ことしの新米。それをノリの上に均等に敷き、具材を載せて巻いていきます。


※小野寺紀帆キャスター
「ネタの脂の甘味を感じた後にお米の甘味が包み込むようにあとから感じます。これだけ具材ぎっしりなのに米がつぶれることなく粒だっていて本当においしいです」


40年以上も「ふるさとの味」として地域の人たちに愛される「寿司蔵(すしくら)」の「海鮮太巻き」
一方で原子さんたち、すし店を取り巻く環境は、時代と共に大きく変化してきました。


※寿司蔵 原子清蔵さん
「昔は何軒も(すし店が)あったけど残ったのはうち1軒だけ。昭和の店でずっと行きますよ」


総務省のまとめでは、全国のすし店の事業所数は1991年から2012年までに約4割減少。外食産業の縮小のほか、店主の高齢化などが背景にあると見られていて、青森県内のすし店も同じ課題にさらされています。


こうした状況でも原子さんは、長年、愛され続けてきた「海鮮太巻き」の味を守り、さらに発展させようと、ある取り組みに参加しました。


それが「すし飯」に使うあのコメでした。