待ち焦がれた初陣。題材には水滸伝(すいこでん)に登場する泳ぎの達人、張順(ちょうじゅん)を選び色鮮やかに仕上げました。
そして、見送りにはいまの自分の心境になぞらえて鯉の滝登りを作りました。



吉町さんが観客の反応を確かめながら探していたのは、沿道にいるはずの師匠の姿でした。
※吉町勇樹さんと千葉作龍さん
「ありがとうございました。いいよ。風格ある。重い」
※第5代ねぶた名人千葉作龍さん
「(他の大型ねぶたと)見劣りしないだけでも、嬉しかった。むしろ、よく見えた部分もあったので、よくやったと思って、一安心」

初陣は、吉町さんにとって感謝の思いを伝える場であり、あらためて、覚悟を決める場にもなりました。
※吉町勇樹さん
「未熟なところが浮き彫りになっている。そういうところをステップアップして、もっと技術の高いねぶた師にならないといけないと思いました。先生の意思を引き継いだねぶた師になりたい」

ねぶた師として生きる喜びと責任の重さ。その両方をかみしめ、吉町さんは再び、歩みだそうとしています。
