夜空に、色鮮やかに浮かびあがり、躍動するねぶた。

3年ぶりに開かれている青森ねぶた祭でデビューを果たしたのがねぶた師・吉町勇樹さん。


師匠は今年引退した第5代ねぶた名人の千葉作龍さんで、その跡を継いで大型ねぶたを制作、初陣を飾りました。

※新人ねぶた師 吉町勇樹さん(33)
「感無量。30年間思ってきたこと、やっと、夢叶いました。30年ですよ」


青森市出身の吉町さんは幼いころ、家族で見に行ったねぶた祭でその迫力に魅了され、ねぶた師になりたいという夢を抱くようになります。2017年からは第5代ねぶた名人、千葉作龍さんのもとで修行に励みました。


デビューのきっかけとなったのは2021年に手がけた1台の中型ねぶたです。
このねぶたは、小学生が描いた下絵をもとに制作しましたが、薬の神様である白澤(はくたく)をどう表現したらいいのか、四苦八苦しました。


※吉町勇樹さん(21年1月)
「白澤は、なにをイメージすればいいのか。悩みながらやっています。あしたには形が変わっているかもしれない」


悩みぬいて、完成させた作品。師匠の千葉さんが評価したのは技術はもとより制作に向かう姿勢でした。

※千葉作龍さん
「中型ねぶたをやり抜いた。普通なら、見ていられない状態に陥っていく。それがなかった。(制作への)向き合い方がいいと思った」


そして2021年秋、千葉さんが吉町さんにねぶた師を引退することとあわせて告げた言葉が・・・。

※千葉作龍さん
「『(ねぶた師は)飯をくえないよ。それでも、お前はやるか』と言ったら、『やらせていただきます。足を向けて寝られません』」


ねぶた名人、千葉作龍さんの後継者。その重圧と向き合いながら制作に打ち込みました。

※吉町勇樹さん(6月13日)
「なんでこんなに難しいねぶた、デビュー作に選んでしまったのだろう。入れ墨なんて。難しい」


悩んでいたのは入れ墨の表現です。どの場所に、どのくらいの大きさで描くのか。少しでも疑問が湧くと、資料を読み込みました。

※吉町勇樹さん(6月13日)
「模様を描きすぎて、入れ墨のバックの青がなくなると、入れ墨のように見えない。だからといって、模様がなさすぎれば、ただの青一色」

いま、自分が持っている技量をあますことなく表現したい。心血を注いで完成させました。