ハンガリーで行われているアイスホッケー男子ミラノ・コルティナ冬季五輪3次予選グループリーグ・第1戦。28年ぶりのオリンピック出場をかける日本(世界ランク25位)は現地時間8日、リトアニア(同24位)との第1戦にのぞみ、6対4と逆転勝ち。白星スタートを切った。

日本は立ち上がりの硬さをつかれ、第1ピリオド開始14秒に失点、さらに10分にも追加点を奪われる。持ち味のスピードと速いフォアチェックで展開を打開しようと試みるも、逆にペナルティが先行し、なかなかペースをつかめない。

第2ピリオド4分にも3点目を失い厳しい試合展開となるが、試合中盤の第2ピリオド9分、ゴール前にこぼれたパックを磯谷奏汰(22)が押し込むと、その17秒後にも東京出身の佐藤航平(27)がゴールを決めて1点差に追い上げる。リトアニアは2000年代生まれの選手を10人抱える若いチーム。追い上げられてのプレッシャーからか動きが止まり、日本はピリオド終盤の18分にもエース平野裕志朗(28)が決めて同点に追いついた。

最終第3ピリオドに入るとリトアニアはさらにプレーの精度を欠き、ペナルティから日本がパワープレーのチャンスを迎える。このチャンスにポイントからのシュートを中島照人(22)がディフレクションで決め、日本は4-3と逆転。さらに2点を追加し、6対4で第1戦に勝利した。

試合後、岩本裕司コーチは「今日は久しぶりの海外チームとのゲームだったので、立ち上がりリトアニアのハードチェックに選手たちも戸惑いながら試合に入ってしまい失点を重ねてしまった。2ピリ以降、ここまで取り組んできた速いサポートとショートパスを繋いでいくプレー、そして日本のスピード、運動量でも勝り逆転することが出来ました」とふり返った。

4か国による3次予選、日本は現地9日にスペイン(世界ランク32位)、10日に地元ハンガリー(同19位)と3連戦に臨み、グループ1位で最終予選進出、そしてオリンピック出場を目指す。ミラノ・コルティナダンペッツオ冬季五輪アイスホッケー競技には12ヶ国が出場するが、すでにランキング上位の8か国と開催国のイタリアは予選無しで出場が決まっていて、残り3枠の五輪出場権を予選で争う。

ランキング25位の日本は3次予選からの出場。現在行われている3次予選は4か国ずつ3グループに分かれて総当たり戦で争われ、それぞれグループの1位が最終予選へ進出することになる。

最終予選は今年8月末に開催予定。最終予選からスタートするランキング上位の9か国と3次予選から勝ち進んだ3か国が、4か国ずつ3つのグループに割り振られてリーグ戦を戦い、それぞれのグループ1位がオリンピック出場を果たすことになる。日本男子が冬季五輪に出場したのは長野五輪が行われた1998年以来、28年遠ざかっている。※写真は平野選手