第52回全日本実業団ハーフマラソンが11日、山口市の維新みらいふスタジアムを発着点とする21.0975kmのコースで行われる。男子には今大会をステップに、2~3週間後のフルマラソンでパリ五輪代表入りを狙う選手が複数出場する。そのうちの1人が菊地駿弥(25、中国電力)で、昨年12月の日本選手権10000m、元日のニューイヤー駅伝とこの冬は安定した走りを見せている。2月25日の大阪マラソンと、菊地が出場する3月3日の東京マラソンのMGCファイナルチャレンジ2大会で、2時間05分50秒以内で走った最高タイムの選手がパリ五輪最後の代表1枠を占める。
駅伝、トラックを安定した強さで連戦
日本選手権10000mの9位(27分47秒76の自己新)も、ニューイヤー駅伝最長区間2区(21.9km)の区間3位も、今大会参加選手の中では菊地駿弥が一番良い。本来なら優勝候補筆頭に挙げられる存在だが、9日の取材で菊地は「日本選手権も含め、東京マラソンで結果を出すための試合でした。実業団ハーフは61分30秒が目安です」と話した。
前回日本人トップ(総合3位)の近藤亮太(24、三菱重工)や、1月の大阪ハーフマラソン2位の四釜峻佑(23、ロジスティード)は60分台を目標としている。菊地も、同じように東京マラソンでパリ五輪代表を目指す西山和弥(25、トヨタ自動車)も、目安としているのは61分台。ハーフマラソンに照準を合わせている近藤や四釜の方が、高い目標タイムを設定している。
だが菊地や西山に、勝機がないわけではない。特に菊地はシーズン後半、安定した走りを続けてきた。11月の中国実業団駅伝6区(19.0km)では区間2位に1分32秒の大差をつける区間賞、前述の日本選手権10000mとニューイヤー駅伝2区で好走した後も、1月21日の全国都道府県対抗男子駅伝でも最長7区(13.0km)で区間2位。ニューイヤー駅伝は24人抜き、都道府県駅伝は13人抜きを演じた。
「80~90%の力は出すことができたと感じています。(ピークを合わせた走りではなく)練習がしっかりできて、このくらいでは必ず走れるという走りができました。ただ、どのレースもトップを取ることができていませんし、ニューイヤー駅伝2区では区間賞の選手に42秒差を開けられました。そこは力が足りないと痛感させられましたね」。
ニューイヤー駅伝2区こそ、区間2位に同学年ライバルで東京マラソン出場予定の池田耀平(25、Kao)がいたが、日本選手権10000mと都道府県駅伝7区では、マラソンに出場する選手としては菊地が最高順位だった。日本選手権では池田を20秒以上引き離した。
駅伝、トラックで良い流れを作ってきた菊地が、ハーフマラソンでどんな走りをしてマラソンにつなげていくか。今大会の焦点の1つだろう。

















