乳幼児でも花粉症の症状が…

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「乳幼児でも花粉症の症状が出ている子がいる」
こう話すのは耳鼻咽喉科の医師、石井正則さん。
ここ数年、花粉症の低年齢化が進んでいると指摘します。
(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「10年、20年前は小学校からと言われていたが、最近は幼稚園から花粉症になる子が普通にいる」
花粉症の低年齢化は深刻です。

(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「5歳~9歳で30.1%の子どもたちが花粉症になっている」
日本耳鼻咽喉科学会の会報によると、2019年の調査では5歳~9歳の子どもで花粉症の症状がある人は30.1%でした。
しかし、1998年の調査では7.2%と、花粉症の低年齢化が進んでいることがわかります。

石井医師は、その原因は花粉の飛散数が時代とともに増えてきたことや、これまで室内での花粉症対策に重きが置かれていなかったこともあると言います。
(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「花粉は非常に軽く、ちょっと動くと吹き上がる。重力と共に徐々に落ちてくる。床にへばりついた花粉を、例えば子どもが走り回ったり、赤ちゃんがハイハイしたり、掃除機は吸い込むが排気口の風で花粉が舞い上がる。外出を控えても家の中に花粉が舞っている。だから子どもたち(の花粉症)が増えている」

また、石井医師は親から子へのアレルギー反応の遺伝の可能性も指摘。
(JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科 石井正則 医師)
「1960年以降から花粉症は見つかっているので。孫までの時代になって累積した遺伝(も原因の一つ)」
ことし1月、東京の酢酸菌を研究する団体が行った、全国15歳から69歳までの1200人の花粉症の症状に悩む人を対象にした調査では、Z世代以下の花粉症デビューの年齢は「平均11.58歳」という結果になりました。
つまり、人生の大半を花粉症とつきあう人が今後、増えていく可能性があるのです。