子どものSNSの利用を制限すべきかどうか、アメリカで激しい議論となっています。ニューヨーク市はSNSを「有害物質」と指定して勧告を出したほか、アメリカの議会で開かれた公聴会では、大手SNSを運営する5社の幹部に対し、議員が「SNSは人を殺す」と責任を追及する場面も。日本ではどのような環境整備が必要なのか、考えます。
「SNSは人を殺す」未成年保護めぐり議員が… ザッカーバーグ氏 遺族に謝罪
1月31日、アメリカ議会上院で開かれた公聴会。

出席したのは、FacebookやInstagramを運営するメタのマーク・ザッカーバーグCEO、Xのリンダ・ヤッカリーノCEOら、子どもや若者にも人気のSNSを運営する企業の経営者らです。
大手SNSのトップが勢揃いした公聴会である議員が投げかけたのは…

リンゼー・グラム議員
「あなたたちの手は血で汚れています。あなたたちは“人を殺す製品”を持っています」
“人を殺す製品”と辛辣な表現をされたSNS。
アメリカでは少女がSNS上で性的画像を拡散されて自殺に追い込まれたほか、子供がSNSを通じて合成麻薬を購入し死亡するケースなどが相次いでいるのです。
公聴会にはSNSが原因で子どもが被害にあったと訴える家族らも参加。家族らの証言映像も上映されました。

被害者の家族
「私の息子はフェイスブック上で性的搾取された後に自殺しました」

被害者の家族
「何人の子どもがSNSのせいで死ぬのでしょう」
こうした訴えに議員らの追及はヒートアップ。
議員
「最大の性売買サイトになろうとしているようだが…」

メタ ザッカーバーグCEO
「違います、そんなバカな」
委員長
「なぜティックトックは子どもたちを商品化し性的搾取をすることを容認しているのか」

TikTok 周受資CEO
「その表現には同意できません。ライブストリーミング製品は18歳未満向けではありません」
経営者らは年齢制限を設けるなど、子どもを保護するための対策をとっていると説明しますが、答弁中にも手厳しい反論が…
ザッカーバーグCEO
「私たちが真剣に取り組んでいるのは、有害なコンテンツを見つけるツールを作り、有害なものをサービスから排除することです」

議員
「金儲けのためだね」
議員がザッカーバーグ氏に謝罪を迫る場面もありました。
議員
「子ども達の写真を掲げている人たちに謝罪したいですか?善良な人たちにあなたが何をしたのか?」

メタ ザッカーバーグCEO
「皆さんが経験されたことにお悔やみを申し上げます。ご家族が苦しめられた事を知り、恐ろしい気持ちになります。その苦しみをなくすため投資してきたし、これからも取り組みを続けていく」
公聴会終了後、グラム上院議員は…

リンゼー・グラム上院議員
「私は大統領候補者討論会に問題提起するつもりだ。SNSは命を奪い民主主義を混乱させている。行動しなければ悪化の一途を辿るだろう」
現在、子どものSNS利用をめぐる規制の検討が超党派で進められているアメリカ。
こうした動きは今後、日本にも波及してくるのでしょうか?