■柔道グランドスラム パリ 男子100㎏級(4日、フランス・パリ)

柔道グランドスラム パリが4日行われ、男子100㎏級でウルフ アロン(27、パーク24)が決勝戦、試合時間残り15秒で内股を決め、優勢勝ち。優勝を手にしてパリ五輪代表に大きく前進した。

柔道陣で唯一、パリ五輪代表が決まっていない男子100㎏級、最終選考会となったグランドスラム東京では東京五輪金メダルのウルフ アロンは7位、新井道大(19、東海大1年)は世界王者を2回戦で破ったが決勝で1本負け、シニアでの経験の浅いと代表内定を見送られた。

今大会は“最低でもメダル獲得以上”と鈴木桂治監督が話し、両者の成績と内容に明らかに差がついた場合は、2月末の強化委員会で代表内定が打たれる可能性がある。

ウルフは1回戦、内股、小内刈りと積極的に攻めていったがなかなか相手を捉えることが出来ず、それでも相手に指導が3回与えられ、反則勝ち。3回戦はバットフヤグ・ゴンチグスレン(24、モンゴル)と対戦、先に技ありを奪われたがその直後、小外刈りが綺麗に決まり一本。決まった瞬間、ウルフはガッツポーズを見せた。

準々決勝の相手はダニエル・アイヒ(23、スイス)。終始攻め続けたウルフがここでも足技で技ありを奪い、優勢勝ちでベスト4へ駒を進めた。準決勝はサヴィッキー・アントン(28、ウクライナ)と対戦。ウルフの動きが良く技ありを奪いリードしたが、相手の隅落としで一瞬、ヒヤリとする場面も。それでも、最後は豪快な内股で一本を奪い、決勝進出を決めた。

決勝はニコロス・シェラザディシビリ(27、スペイン)。2021年90㎏級の世界王者を相手に組み手争いでは後ろに引かず、攻める姿勢を見せた。試合時間残り15秒、内股で技ありを奪い、優勢勝ちで優勝。勝った瞬間、ウルフは両こぶしを握り、大きく両手をあげて喜びを表した。

1月29日に19歳になったばかりの新井も順調に3回戦まで勝ち進んだ。しかし、ベスト16を掛けた戦いで相手に腕挫十字固を決められそうになり、上手くのがれたがその隙をつかれ、三角絞めで一本負けとなった。