酒蔵の復興へ奮闘する夫婦「この地でもう一度酒造りを」

被災地の復興には、まだまだ多くの時間が必要となります。そんな中、被災地で酒蔵の再建に向けて奮闘する夫婦と出会いました。

(櫻田酒造 櫻田博克さん)
「結構泥でやられてますよね。でも中身は大丈夫なのでまた出荷できるときのために、水がくれば綺麗に出来るんですけど」

100年以上続く老舗の酒蔵は、今回の地震で倒壊しました。正月明けから新酒の仕込みを始めようと準備していた矢先、襲いかかってきた大地震。しかし数日後、酒造りには欠かせない酒米の一部が崩れた家屋の中から見つかったといいます。

(櫻田酒造 櫻田博克さん)
「救えるものはまだ救いたいですね。常連さんに『これからどうするのか』と聞かれたんですけど『もう一回再建して頑張るよ』と言ったらほんとに喜んでくれて」

櫻田博克さんは4代目。今回の地震で稼業をたたもうとしていた妻の朋子さんを説得し、避難生活を続けながら営業再開を目指しています。

息子は東京の大学で酒造りを学んでいるといい、いつか震災を生き延びたこの米で新酒を作りたいといいます。地元を離れようとしない多くの被災者。それはふるさとに対する強い愛着の表れでもあります。

(櫻田酒造 櫻田博克さん)
「何年かかるか分からないですけど、必ず酒蔵を再建してできればこの地でもう一度酒造りしたい」

どれだけ時間が掛かっても、ここでの日常を取り戻したい。多くの被害を出した能登半島地震は2月1日で1か月を迎えました。