2022年8月に豪雨災害により甚大な被害を受けた新潟県村上市を題材にした絵本をデザイン専門学校の学生が手がけることになりました。災害の記憶と教訓を後世に残すことが狙いです。
村上市役所では1月31日、高橋邦芳村上市長と新潟デザイン専門学校の畑野裕美副校長が絵本制作に関する協定を締結しました。

2022年8月3日は夜遅くから村上市や関川村をはじめとする県北地域は雨が降り続き、豪雨災害に見舞われました。県内では2431棟の住宅が被害に遭い、このうち村上市の小岩内集落では土石流が発生し、住宅6棟が全壊しました。
小岩内集落の人たちは当時、一旦は公会堂に避難したものの、55年前の羽越水害での被害の経験から高台の住宅に再避難しました。その2時間後、公会堂は大量の土石流に飲み込まれました。
過去の経験を活かし冷静に判断したことで、集落の人たちの命が奪われることがなかったことから、村上市ではこうした体験や経験を絵本化することで豪雨災害の記憶と教訓を風化させることなく、後世に残すことにしたのです。
村上市の高橋邦芳市長は「災害を絵本にすることで、小さい子どももお年寄りにもすぐに手にとってもらえて、どういう災害だったかを知ってもらうきっかけになる」と話していました。
絵本の制作は新潟デザイン専門学校の学生が手がけます。

学生は3月にかけて小岩内集落の人から当時の状況のヒアリングなどをした上で、絵本の制作に取り掛かるということです。
完成した絵本は村上市内の保育園や小中学校、図書館などに配られる予定です。