専門家「今回は原作者の権利が守られていないのではないか」

法律の観点も含めて今回の問題点について、弁理士・知的財産アナリストの永沼よう子さんに話を伺いました。

「著作権法上、原作者の権利が最も強い。二次創作(ドラマなど)でも、原作者と制作側は同等の権利を持つ。原作者の投稿などを見るかぎり、今回は原作者の権利が守られていないのではないか」と指摘しています。

ホラン千秋キャスター:
最初の約束はどうだったのか、というところですが、例えば既にたくさんの単行本が出版されているものを10話程度のテレビドラマにする場合、現実的に考えて様々な部分を削らなくてはならない、ストーリーを少し変えなければならない場合もあると思いますが、今回はとにかく「作品に忠実に」という最初の約束がなぜ守られなくなってしまったのか。

やはり約束と違うと生みの親はものすごく傷つきますし、ファンもたくさんいる中で、なんでこんな結末を迎えなくてはならなかったのか、ということを考えると本当に悔しくてしょうがないですよね。

萩谷麻衣子 弁護士:
権利関係がどうなっていたのかは非常に気になるところです。

最初に出ていた「ドラマ化する条件」が契約書などにきちんと落とされていて、それが制作者と原作者側で共有されていたのかなという所は非常に気になります。

そのような条項がなかったとしても、ドラマに対して原作者というのは著作者人格権を持っていて、その中の同一性保持権(自分の意図に反して勝手に改変されないという権利)もあります。

とはいえ、ドラマなので全く改変しないで作るというのは、まず難しいと思います。その辺りを著作者側と制作者側が、どれだけコミュニケーションをちゃんと取って進めていたのかというところにも問題があったのかなと思います。