「チェアマンに勝ち負けは関係ない」
野々村
クラブ(経営)をやっているときは、分かりやすいところで順位とか、勝ち負けがあったんで、それがストレスやプレッシャーになることはありましたけど、勝ったとき、または目標達成したときには高揚感がある。でも、チェアマンって勝ち負け(関係)なかったりするんですよね。ただ、58あるクラブの着実な成長をどう助けるかが、Jリーグのチェアマンの仕事だと思っています
一方で、国内でもっとサッカーの価値をしっかり見せていかなきゃいけない。58のクラブが1.5倍、2倍のサイズになって成長することも大事だけど、トップレベルのクラブがさらに華やかに、サッカーのクオリティーを上げていく。この両方が大事です

サッカーの場合は日本国内だけではなく、世界と競争しなきゃいけない。クラブとしての競争もあれば、選手が成長して世界に出ていく競争もある。Jリーグとしてアジアの他のリーグやヨーロッパの大きなリーグとのいろんな競争があります。最終的には世界の中で、アジアにあるJリーグはすごく面白いなって思ってもらえるリーグにしなきゃいけない。そういうことも意識して、どう今の58クラブにさまざまな成長の仕方を提案していくかは考えてやらなきゃいけないですね
世界を視野に、全58クラブの成長を目指す野々村チェアマン。撮影日のスケジュールもびっしり。視察に行った際には、「クラブのためになるなら」とさまざまなイベントに協力し、サポーターを喜ばせている。また、最近連携を結んだTikTokにもたびたび出演し、ライト層の獲得にも一役買っている。長く解説者やMCなどを務めてきたチェアマンらしい行動がJリーグの雰囲気を変えつつある。