長野県内には、牛や豚を食肉処理する施設が中野市と松本市にあります。
このうち、松本市の施設は市の土地を利用していますが、ごみ焼却施設の整備に伴い、2026年度末までの立ち退きを求められています。
県やJAなどは移転先を探していますが、メドが立っておらず、29日、関係者が移転期限の延期などを松本市に要請しました。


松本市の嵯峨宏一(さが・こういち)副市長に要請書を手渡したのは、JA長野中央会の神農佳人(しんのう・よしと)会長。

3年後の2026年度末に迫った移転期限の延期などを求めました。

神農会長:
「候補地並びに具体的な設置についての進捗がはかれません」
「ここは松本市に甘えて再度お願いしたい」

松本市が土地の返還を求めるのは、食肉処理施設を含む場所にゴミの焼却施設の整備計画があるためです。

嵯峨副市長:
「この返還については、きのうきょうお願いしてるものではない。現在のクリーンセンターの耐用年数はおのずと決まってる」
「ごみ処理が出来なくなる事態は行政としてはあってはならない」

ゴミ焼却施設の整備も必要不可欠とする嵯峨副市長。

それでも整備開始の時期を遅らせることができるか、関係者と検討すると答えました。

この日の要請には生産者団体の代表も参加。

食肉処理施設がなくなれば県外の施設の利用を余儀なくされる可能性もあります。

県養豚協会 矢澤宏輝会長:
「4月から私どもも松本に輸送してるが、それについても値上げが始まるということ、それ以上の形になってくる」

信州プレミアム牛生産者研究協議会 小田切進さん:
「(輸送に)時間がかかってしまうと(牛)のストレスになるかなって感じがします」

JA長野中央会・神農会長:
「(松本市に)再検討して頂けるということは期待し、代替施設の取得について一生懸命、早急な対応してまいりたい」