ロシア人の両親を持ち 兄の影響で野球を始める

ニキータ選手は愛知・刈谷市出身。ロシア人の両親を持ち、兄の影響で小学1年生から野球を始めます。そして野球の楽しさに魅了され、次第にプロへの夢を持つように。

夢のために継続したのは、体づくりでした。食事とトレーニングで、入学当初は66キロだった体重が84キロに。ベンチプレスの最高はなんと105キロ。体重増加の成果もあり、1年の時には出なかったホームランを現在は14本放ち、秋季東海大会では驚異の打率6割を越えました。

(ニキータ選手)
「(甲子園は)もちろん優勝したい。どんな強い相手でもしっかり自分たちの野球ができるように今練習しています」

チャンスをしっかりと捉えた、ニキータ選手の一打が、逆転劇を呼び込んだのです。

そして、豊川高校には裏で支えながら甲子園に熱い思いをかける選手も。

(ニキータ選手)
「練習に付き合ってくれることが多いので、ここまで成長できたのはやっぱり蓮弥(の存在)があったからこそ」

副キャプテンを務める竹内蓮弥選手(2年)です。

竹内選手は3年生が引退し、レギュラーを目指していた去年の7月、突如、縦隔気腫(じゅうかくきしゅ)という呼吸困難に恐われ、選手として秋季東海大会には出られませんでした。

(竹内選手)
「(野球を)辞めたいと思いました。みんなは成長している中で、自分は何か成長できているのかなと。ふとした瞬間に思うのがつらかったです」

それでも、辞めなかったのは。秋季大会準決勝のサヨナラ打です。

(竹内選手)
「宇治山田戦のサヨナラの喜びが忘れられなくて、それでチームのために何か(できないか)と思って」

今は自主トレーニングで体力を戻していますが、メインは練習の準備や指示出し、コーチの補助など縁の下の力持ちとしてチームを支えています。

(チームメイト)
「チームを本当に外から見守ってくれている」
「1年生全員を仕切ってくれたりとか連絡をくれたりとか、そういう大事な役割をしてくれている」

試合に出場できない選手も甲子園に向けて切磋琢磨する、豊川高校の“全員野球”で掴んだ逆転劇でした。