様々な事情で国籍がない「無国籍」の人は、世界で少なくとも430万人はいるとみられます。日本にも暮らす「無国籍」の人の存在を知ってもらおうと活動するNPO法人「無国籍ネットワーク」が12月23日、親子で参加するロヒンギャ料理の教室を都内で開きました。

ロヒンギャ料理「ビリヤニ」「ラペットゥ」そのお味は?
ロヒンギャはミャンマーの少数民族で、主にラカイン州に暮らしていますが、国民とみなされず、不法移民として扱われています。差別から貧しい暮らしの人も多く、迫害され、隣のバングラデシュなど、国外に難民として逃れる人も大勢います。

料理教室の先生は、日本で暮らすロヒンギャの長谷川留理華さん。12歳で日本に来た長谷川さんは、今は5人の子供を育てながら通訳の仕事などをしていて、無国籍ネットワークの運営委員の一人です。手間や時間がかかるので、長谷川さんが先に用意しておいた料理が「ビリヤニ」。南アジアと周辺の国々でよく食べられる、カレースパイスを使ったちょっと辛い炊き込みご飯です。
長谷川さんは「圧力鍋がない地域で作ってたので、空気がでないよう鍋に入れて炊き込むのが普通ですが、最近は便利なので、炊飯器で作っています。皆さんも忙しい方がほとんどだと思います。子供がいると、いちいち何か、焦げてないかなとかって気にするとか、忘れちゃう時あるじゃないですか。そういう時、助かります。あと、鶏肉は骨ありを本来は使うんですが、きょうは骨なしを使いました。子供に食べさせたいという時は骨なしがおすすめです」と話しながら、作り方や使う香辛料などについて丁寧に説明しました。

参加者が作ったのは、多民族国家ミャンマーではどこでもよく食べられている「ラペットゥ」。お茶の葉の漬物を使ったサラダのような料理です。テーブルには材料のキャベツやトマト、豆に干しエビが並び、親子でそれを切ってゆきます。

そこに、長谷川さんが用意した「サラダの元」、お茶の葉をニンニクなどと一緒に漬け込み発酵させたものを混ぜ合わせます。長谷川さんは香辛料を調節して、辛いのと甘いの二種類の「サラダの元」を用意し、希望を聞いて配っていました。

試食になると子供たちからは「ラペットゥは豆が入っていて、カリカリする」とか「ビリヤニは給食のカレーより辛い」といった声。親たちからは「発酵したお茶の葉のうまみを感じる」とか「ビリヤニはナッツやフルーツを上手く使ってるなあ」といった様々な声があがっていました。