■旧統一教会への強い恨み「母親が多額のお金を振り込んで破産したのが元凶」

犯行の動機につながる供述からは 旧統一教会に対する“強い恨み”が読み取れます。

山上容疑者の供述
「20〜30年前に母親が統一教会に入会した。 その後、統一教会に多額のお金を振り込んだ影響で破産した。それが、そもそもの元凶。そのころから統一教会を恨んでいた」

捜査関係者への取材で、山上容疑者の母親は旧統一教会、いまの「世界平和統一家庭連合」に総額1億円を献金したとの情報があることがわかりました。これに対して、旧統一教会は、「2005年からの約10年間であわせて5000万円が返金された」とコメントしています。

山上容疑者は統一教会の創設者の妻で、 現在の団体の総裁を務める韓鶴子氏も狙っていました。


山上容疑者の供述
「韓を日本に連れてきた岸元総理の孫ということで、安倍元総理も統一教会と一緒と思っていた」

旧統一教会は会見で岸元総理との関係についてこう説明しています。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「私たち法人との関係というよりは、創設者・文鮮明総裁、鶴子総裁が推進する平和運動に強く理解を深めてくださっていたというふうに私は理解しています」

そして犯行当日、 山上容疑者は安倍元総理の背後から近づき、 2発、発砲したのです。発砲に至るまでSPらが気づくことはありませんでした。

山上容疑者の供述
「安倍元総理を狙って撃てば、死ぬかもしれないことはわかっていたが、どうしても、統一教会が許せず、そこにつながっている安倍元総理を散弾銃で撃った」

■参院選で候補者を支援 旧統一教会と自民党の“近い距離”

旧統一教会と自民党の近い関係については、 度々、指摘されてきました。第一次安倍政権で、総理秘書官を務めた井上義行氏。


今回の参院選で、自民党から比例で出馬し、当選を果たしました。


井上氏は、事件の2日前の7月6日、旧統一教会の関連団体の集会に参加していました。


旧統一教会側の関係者(6日の集会)
「うちの教会、うちの組織もたーくさんの問題があります。この問題を支援してくださる方が、井上義行先生でございまーす! 井上先生はもうすでに信徒になりました。私も、大好きになりました。戦いをするならば、必ず勝たないといけない」

井上氏の事務所と、旧統一教会側の双方に取材したところ、井上氏は旧統一教会の「賛同会員」で、今回の参院選で教団側の支援を受けていたことを認めました。

井上義行氏(6日の集会)
「私は正直に言っちゃっていいんですか。同性婚は反対と言うことを。今大炎上なんで、トレンド入りしました。私は信念で言ってるんだ。だって私は、同性婚には反対ということを信念をもって言い続けます」

集会参加者
「そうだー!」

教団への献金などによる被害者を救済してきた弁護士は。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士(7月12日)
「今回の選挙でも、あるいはその前の選挙でも、特定の自民党の候補者を組織推薦候補として応援をしてきた。それに信者組織は動員をかけてやってきた」

政教分離の原則がある中、政治家と宗教の距離の近さが浮き彫りとなりました。