能登半島地震の被災地で支援活動を行っていた高知海上保安部の巡視船とさが高知に戻りました。主に行ったのは、港での給水活動。海から見た、被災地の様子です。

被災地で活動を行ったのは高知海上保安部、巡視船「とさ」の乗組員およそ30人です。1月14日から20日まで石川県の七尾市にある七尾港を中心に給水活動を行いました。

被災地では断水による水不足が課題となっていて、今もなお、水道が復旧していない地域があります。

乗組員たちは活動期間中、自治体や自衛隊の給水車185台におよそ527トンを給水。主に飲み水として使われたということです。

高知港に戻った「とさ」。船上で、慰労訓示式の参加者たちが黙とうをささげました。

高知海上保安部の東條英一部長は「給水という被災者の顔が見えない支援で、自分たちにできることはもっとあるのではないかと思う時もあったかもしれないが、任務を全うしたことに存在意義がある」と、乗組員たちを労いました。

港での活動で、直接被災者たちと話をすることはなかったといいます。しかし、海から見ただけでも、今回の地震の被害は甚大なものでした。

(高知海上保安部 藤村勝幸 船長)
「島だとか、普段なら木が生えているところは土砂崩れになっていて、我々がつけている岸壁も船をつけるところは大丈夫だが、内側の道路はでこぼこになっていて給水車が入るところは非常に限定されている状況だった」

また、南海トラフ地震でも、揺れだけでなく津波が沿岸部を襲うと想定されています。今回のように、物資や水の搬送が急務となる中、輸送経路の確保に難しさを感じたといいます。

(高知海上保安部 藤村勝幸 船長)
「陸上で崩壊した道路などを考えると海からのいろいろな搬送路は大切と思うが、一方で南海トラフ地震では津波が起きる。そうすると岸壁あるいは港、これが壊れた時に我々が上手く立ち入って行けるか、そういうところが少し心配になった」

高知海上保安部では今後も要請があれば被災地支援を行うということです。