地震対策と日本社会の抱える課題
こうした現状の背景には、日本が抱える大きな問題がありました。
能登半島地震で被害拡大をもたらした耐震化の遅れについて、被災者は…

珠洲市・被災者(男性70代)「若い人が帰ってくるのなら、耐震も補強する思いもあるけど、私らの代で終わりなら、無駄な仕事ということになって…」
高齢世帯が多い地方では、「後に住む人がいない」として、耐震化に慎重な世帯が少なくありません。
珠洲市は、65歳以上の住民が人口の半数以上を占め、石川県の中で最も高齢化が進んだ街でした。

こうした地域では、「高齢化」と共に「過疎化」も進んでいます。全国におよそ1700ある市町村のうち、去年、半数以上が「過疎地域」に指定され、全国的に過疎化が広がっているのです。
専門家はこの状況が、地方の地震対策に暗い影を落としているといいます。

福和伸夫名古屋大名誉教授(地域防災・地震工学)
「地方と大都市とでは、やはり自治体の持ってるお金が全く違います。道路とか水道のような、社会をちゃんと支える基盤的なもの(インフラ)に対しては、きちんとお金を投資するべき。南海トラフ巨大地震が起きたとき、能登と同じようになる恐れのある高齢化した過疎地はものすごく沢山あります。支援の手が届かない恐れが極めて高い。ですから、都市部に住む人たちは全力で(地方を)支えてほしいと思う」
地震大国・日本。大地震への備えが求められています
(「サンデーモーニング」2024年1月21日放送より)