リアルと非現実、自由自在な表現が高評価に

こちらは大賞を受賞した3作品のひとつ、「描きまくるしかないか」。写真のようにリアルに描かれた道路標識。一方で、信号機の上に座る男性が見る人を非現実的な世界に誘います。

第12回やまぐち新進アーティスト大賞審査委員会・斎藤郁夫委員長
「どのような質感のものも表現できている、巧みさっていいますかね。本当に写真のようにも描けるし、わざと絵のようにも描けるというか、絵のタッチを残してね、そういう自由自在な表現の仕方っていうのが非常に高く評価されて」
緻密な光の描き方も高く評価されたポイントです。会場では作品をモチーフにしたグッズも販売されました。
グッズを購入した客
「彼のデビューの頃からファンというか応援してるんで、毎年買ってます。陰影が特にすばらしいんで、そういったところが結構好きなんです」
別の客
「もっともっと有名になってね、いろいろ幅広く活躍できたらいいなと思いますね」
アート関係者も活動を後押し
支えてくれたのは昔からのファンと…、活動を後押ししてくれた関係者です。

ギャラリーナカノ・中野聡さん
「初めて会った時はすごいハイクオリティのちゃんとした絵が描ける人で、本人がその才能に気がついていないというのがまた1つびっくりで、本人が自分の価値がどれだけあるかをよくわかっていないっていう感じでしたね」
中野さんは、たびたび展示会の場所を提供してくれました。「やまぐち新進アーティスト大賞」に出品を勧めてくれたのもこの人です。
コサカさん
「今の僕が少し豊かになったのも中野さんのおかげかなと思います」
幼いころから「絵が好き」就職は自動車メーカーへ

防府市出身の小阪大樹さん。物心ついた頃から絵を描くのが好きでした。「すごい」「うまい」と評価してもらえるのがうれしかったと言います。絵を仕事にしたいと思ったこともありましたが、南陽工業高校卒業後は自動車メーカー「マツダ」に就職。
コサカさん
「進路を考える際に、自分が持ってる絵の仕事の情報が少なくてなれる道もよくわかんなかったのであきらめて」
絵を仕事にするきっかけは?
きっかけはSNSでした。好きだった車やバイクを通じてSNSのつながりが広がっていきました。仲間の中に、車やバイクの絵を投稿している人がいました。
コサカさん
「すごくこう、絵の具で描かれた素敵な絵を投稿されているのを見て、すごく感動したので、そこからその人に何の画材使ってるんですかとか直接聞いたりして。その絵を見た時に自分もそういった素敵な絵を描きたいってのが始まりでした」
それが、今ではコサカさんが得意とする画材、「透明水彩」との出会いでした。

コサカさん
「これは透明水彩で乗り物を描こうって決めて練習をしてて、そのうちの1個。よくできた作品で、このテイストでフリーランスとしてやっていけそうだと思えた作品の1枚になりますね」
会社辞めイラストレーターに、光の描き方にこだわり
誰に習うこともなく練習を重ね、2018年にマツダを退職。翌年からイラストレーターとして歩み始めます。当初は題材を乗り物にしぼって、とにかく数を描きました。そこで培われたのが大賞で高く評価された光の描き方です。

コサカさん
「光がきれいだねっていうのも多分、車とかバイクが好きで乗ってると磨いてピカピカにするのがやっぱり好きだと思うんで、てなると僕もそういったところが光ってたりするのがきれいだなって思ってそれを意識して絵にしています」














