124時間ぶりの「奇跡の救出劇」で生かされた教訓

(夏目)
大石さん、避難所以外で教訓というのは生かされているんでしょうか?
(大石)
そうですね、やはり耐震化だと思うんですね。あれから29年で進んだのかどうかなんですが、阪神・淡路大震災の死因は「建物の倒壊などによる窒息・圧死」が全体の8割近くあったんです。では能登半島地震はどうかということですが、死因が公表されている42人のうち38人は家屋倒壊によって亡くなっている。これは9割近い数字です。
ちなみに、石川県珠洲市の耐震化率は51%(2018年度)、やはり耐震化がいかに大事かというのを物語っている数値かと思います。
(夏目)
山本さん、建物の倒壊だと命を救うのも難しくなってくるということですね。

(山本)
珠洲市や輪島市の方は木造住宅が多くて、非常に激しく潰れているところがあります。そういった所ではなかなか救命が難しかった。
ただ一方で、我々が行った珠洲市でも124時間ぶりに90代の女性が瓦礫の下から運び出されて助かったという事例がありました。
この時は我々医師団も、いわゆる「クラッシュ症候群」筋肉が溶け出して心停止に陥るということを知っていましたので、瓦礫の下にいる時点から点滴を大量に行って腎不全にならないようにしていたと。
そういったところでは少し改善は見られたということだと思います。
(CBCテレビ「チャント!」 1月17日放送)