能登半島地震で、孤立状態が続いていた集落では、自衛隊のヘリによる避難が進み、徐々に孤立の解消が進んでいます。一方、大規模な火災があった輪島朝市周辺では、天候が回復し、3日ぶりに捜索が再開されました。
石川県内で最も多い85人が孤立状態となっていた輪島市の西保地区。17日、住民が自衛隊のヘリコプターに乗り込み、地区の外へ避難しました。
石川県内では17日、能登町で孤立状態が解消したほか、輪島市でも今週中に解消する見通しです。
一方で、集落に残る小林秀之さん。金沢市のアパートに避難するという高齢の母親を見送りました。

小林さんは「母は最初は絶対嫌だったが、余震があって、だんだん怖くなってきたのか、自分で行くと言った」と話します。
神戸から 29年前にも救助活動に加わった消防隊員
一方、大規模な火災があった観光名所の輪島朝市では3日ぶりに捜索が再開されました。

1995年1月17日の阪神淡路大震災を経験したという神戸市消防局の高村浩二さんは「29年前の災害のことを強く思い出す現場だ。あのときも助けられなかった命がある」と語りました。
地震による犠牲者は輪島市で16日から10人増え、石川県全体で232人になりました。輪島市は、朝市周辺の捜索の結果だとしていて、18日以降も捜索を続けたいとしています。
在日アメリカ軍 小松基地-能登空港間で物資輸送
在日アメリカ軍の支援も始まりました。

アメリカ軍は、航空自衛隊小松基地を拠点にヘリコプターで能登空港まで物資などを運ぶ予定で、自衛隊は2次避難者の輸送に全力を挙げることにしています。
「1.5次避難所」でボランティア始まる
一方、避難先が決まるまでの間、高齢者など配慮が必要な人を一時的に受け入れている金沢市のいしかわ総合スポーツセンターでは、17日からボランティアの活動が行われています。

初日は28人が参加し、避難所内の掃除のほか、食事や物資の運搬を手伝いました。
参加した水戸雅之さんは「きょう・あす・あさって、朝一番に来て、皆さんの元気な顔を見たいと申し込みをした」と述べました。
また高野明美さんは「能登の方は気丈なので、すごく我慢している方がたくさんいる。声を聞いてあげることも大事だ」といいます。
石川県によりますと、ボランティアは23日まで行われ、24日以降の活動も改めて金沢市在住者を対象に募集をかけ行う予定ということです。
スポーツセンターにはおよそ250人が避難していて、高齢者らは福祉施設や病院といった次の避難先の調整に時間がかかるなど、課題も浮き彫りになっています。