元日に起きた能登半島地震で多くの住宅が倒壊し、犠牲者が出ました。災害時に自らの、そして家族の命を守るために住宅の耐震化について考えます。

住宅被害が2万2000棟を超えた能登半島地震。建物の倒壊で亡くなった人も相次ぎ、あらためて「住宅の耐震化」が注目されています。主な対象は1981年以前に着工した木造住宅です。

大分県内では2018年度時点で住宅の耐震化率は84%で、未実施は約7万6000軒。木造住宅に絞ると77%、約7万軒の対策が滞っている状態です。

(県建築住宅課・都瑠淳一課長)「十分耐震化が図られているとは考えておりません。特に木造密集地では石川の地震でもあったようにかなり命にかかわってくる。ぜひとも耐震改修を早めに取り組んでいきたい」

県の支援事業には3つのステップがあります。対象の住宅は無料の耐震アドバイザー派遣を経て、原則5500円の耐震診断を受けられます。改修工事には費用の3分の2、最高100万円が補助されます。

改修工事の支援事業は2016年の熊本地震で一時的に件数が急増したものの、その後は年間40件前後で推移しています。

費用の目安として改修工事は100万円以上、一部のスペースを耐震化するシェルターは50万円程度、耐震ベッドは30万円程度と選択肢も増えています。

(県建築士事務所協会・内村隆志専務理事)「どれが一番自分たちで手頃で安全にできるかチョイスできる。うちの家は大丈夫と決めつけるのではなく、こういう形でやってるから大丈夫というような結論を持ってほしい」

一方、耐震性能が確保できるまではソフト面での補助対策が不可欠です。家の柱が多い場所など圧死やけがのリスクが少ないセーフティーゾーンについて、地震が起きる前から考えておく必要があります。

(県防災活動支援センター・清松幸生さん)「部屋の中で安全な場所を決めておく。そこまでなんとかたどり着ける家の構造を考え、家族で話をして対策をそれぞれが作っておくことが必要」

いつ起きるかわからない大地震。住宅の耐震化は取り組むべき大きな課題の一つです。