“危機感なし”?「自民党刷新本部」自浄作用働く?

藤森祥平キャスター:
自民党は16日に所属する全議員を対象に「政治刷新本部」の2回目の会合を行う予定で、1月中に中間取りまとめを行うとしていますが、どんな内容になりそうですか。

星浩氏:
刷新本部のメンバーは38人ですが、16日の会合は全ての自民党議員が参加ができるものなので、色々な人が参加して3時間ほど議論すると思います。

ただ、「刷新本部」といっても何を刷新するのかわかりません。一体どういうキックバックがあったのかということを誰も詳細に説明していませんので、刷新する、しないといっても表面をなぞっただけということになると思います。通常国会が始まった際に、「実は自民党でこういうことやっていますよ」と答弁するとき、野党の追及に対して“逃げ口上”として使われる可能性が高いと思います。

プチ鹿島さん:
「刷新」という言葉をわざと間違えて使っているのかなと思ってしまいます。問題のある人を何事もなかったかのように、過去をウォッシュして「刷新しています」と次の選挙で言えれば、とぼけられるじゃないですか。なので、そういう使い方をしてるのかなと感じます。

あとメンバーを見ても、麻生さんと菅さんを最高顧問にしているという点で、菅さんを取り込もうとしている、岸田総理の次期総裁選の党内政局にしか見えないんですが、派閥の論理じゃないんですか。

星浩氏:
残念ながら岸田総理は、次の総裁選でどうこうというところまで考える余裕はないと思います。自民党が人を集めるときにあまり基準がないので、とにかく派閥に声をかけて「若い人とか女性とかを出してくださいよ」と、まあいい加減というか、あまり深く考えずに集めたメンバーだと思います。案の定、メンバーの中で裏金をもらっていた人が続出しているということじゃないでしょうか。

プチ鹿島さん:
リクルート事件のときは、若手、下から突き上げがあったと思うんですが、今回はないですよね。トップダウンでおざなり感をすごく感じます。

星浩氏:
リクルート事件のときは最前線で取材をしていた記者の1人でした。当時、自民党の幹部だった亀井静香さんが若い議員と取っ組み合いの喧嘩になるなど大変な熱気でした。

当時の自民党の若手議員には「このままだと自民党が潰れる」という危機感があり、それが色々な激しいアピールに繋がったのかと思いますが、今回、自民党には全くそういう危機感がありません

自民党の若い議員たちはこの10年間“大派閥”、“自民党1強”というところで、「寄らば大樹の陰」でやってきて、喧嘩のやり方がわからないんだと思います。なので、今のところ音なしの構えで、寂しい限りです。