森井社長:
ちょうどあの時、まさに私は営業部でしたけれども、震災直後に職員がファンの方々に電話をしました。その職員から電話がありました。そのファンの方は避難所にいらっしゃってて、それで『もうキャンセルしていいですよ』って僕は言ったんです。するとその方から職員が言われたのが、『いや、俺から野球まで奪わないでくれ』って。野球だけは楽しみなんだと、そのために俺は今やってんだと言われたと、泣きながら職員が電話かけてきたんです。

僕はそれを聞いたときに、野球なんだろうって、平和の象徴と言ったら変ですけど、何もない時だったらできるもので、こういう緊急事態のときっていうのは、ひょっとしたら必要ないものなんじゃないかなって、コロナも含めてですけど思っていました。

ただ実際はその時に、やっぱりその生きがいになるものであったり、生活の糧としてって言ったらおこがましいですけれども、その方にとっては必要なものだと。お客様がどう考えてるとか、どう思ってるかっていうのに耳を傾けながら、しっかりとお客様を入れていくための施策をやっていくっていうふうにしないと。ただただイベントをやればいいやっていうことでもないというふうには思ってます。

球団の「輪」を作る

そんな森井社長の人柄を現す一幕が、去年末の秋季練習にありました。

最終日、職員が続々とグラウンドへ。選手と共に大きな「輪」を作り1年間の戦いを締め括りました。