あすからの大学入学共通テストを前に、被災地では勉強がしづらい環境の中、がんばり続ける生徒たちの姿があります。一方で輪島市では、中学生の集団避難がきょう締め切られるなど、難しい選択を迫られる家庭もあります。

二次試験の準備のため、追試験を待たず本試験を受ける被災者も

加藤シルビアキャスター:
避難生活が続いていくなかで迫っているのが大学入学共通テストです。13日・14日が本試験となっています。

石川県では8つの会場で予定通り実施されるということですが、地震の特例措置として、石川県内の受験生全員および被災した受験生は、追試験を受験することが可能です。

追試験は27日・28日に実施されます。東京会場・京都会場に加え、金沢大学角間キャンパスでも受験することが可能になっています。追試験を受けたい方は、試験会場などに電話で連絡するようにしてください。罹災証明書などは不要だということです。

しかし珠洲市の飯田高校の受験生10人の方は、13日の本試験のために、金沢市に向けてバスで出発しました。飯田高校の3年生では、89人のうち42人が本試験を受験する予定だということです。

七尾市の避難所に避難をしていた、看護師を目指す中西姫生さんは「本試験を受けます」と話していました。その理由について伺いますと「学校に通えないので、二次試験の面接対策が1回も出来ていないから」ということです。

追試験を受けてしまうと、二次試験の準備期間が短くなってしまう。なので本試験を受けたいんだと話していました。

受験といいますと、大学受験だけではなく高校受験もあります。中学生の受験生もいるわけです。

孤立状態になっている輪島市の西保地区の避難所には、高校入試を控えた受験生1人が避難をしています。もちろん、避難をする際は時間がありません。教材などは持っていませんでした。

こちらの中学3年生の方は「これから高校とかどうなるんだろうとか…ちょっと不安です」というふうに話していました。父親の実家に帰省中に被災されて、帰宅などのめども、現在立っていない状況だということです。