「舟唄」や「雨の慕情」など数々のヒット曲で歌謡界をけん引した、熊本県八代市出身の歌手・八代亜紀さんが亡くなりました。

熊本を元気づけ、被災地を励まし続けた歌姫の軌跡です。

「号外をお配りしています」

八代亜紀さんの訃報を受け、熊本市の中心部では号外が配られました。

八代市の専門学校生「えっ本当ですか。元気なイメージがあるから実感が沸かない」

熊本市の自営業「びっくりしました。あの方と言えば『熊本』というイメージがありましたからね」

華やかでチャーミング。熊本の節目にはいつも八代さんの姿がありました。

九州新幹線が新八代~鹿児島中央間で部分開業したときには一日駅長として第一便を送り出しました。

熊本城築城400年の記念コンサートにも出演。1万2000人のファンが詰めかけその歌声に酔いしれました。

気さくに交流する姿は世代を問わず人気。その人気の秘密をRKKで取材したときの映像です。

八代亜紀さん「トラック野郎の時代は女性から嫌われていました。フンとか言われてお父さんがテレビ見ているとバツッて消すんですって」

「でも今はね、そのお父さんが留守番してて『亜紀ちゃんのなら行っていいよ』って。お母様や同年代のお客さん多いですね。つまり自分たちのことを歌ってくれていると思われているようで。まさにそうなんです。私の生い立ちじゃないもの。歌手・八代亜紀は代弁者なんです」

八代さんは頻繁に被災地を訪れ、エールを送り続けました。

東日本大震災では津波の被害にあった宮城県石巻市の避難所を訪れ、八代産の畳を送りました。

ふるさとに心を寄せ、いつも誰かの応援団だった八代さん。愛された73年の生涯、その幕を閉じました。