「人手不足」の根本解決は賃上げ──収益率をあげていく

【住】なるほど、「物価高」については私たちの手の届かないところの話で、変化を受け止めるしかないということですよね。
生活者としては“賃上げ”が切実な要求となるわけですが、長崎の企業にとって賃上げは実際可能なのでしょうか。

【平】企業の取り組み次第では不可能ではないと思います。日銀長崎支店の黒住支店長も、とくに長崎の観光業では“対応可能”ではないかと見ています。

日銀長崎支店 黒住卓司支店長:
長崎の観光に携わる人が『いろんな形でお金を儲けていく』っていうことをどう考えていくか、考え直す時期かなと思ってます。
一昨年から、物価が上昇する中で、だいぶ価格転嫁ということが進んでおりますので、サービスに見合った価格をしっかりつけていって、それが翻って従業員の賃金に回るってことが、いいことなんじゃないかと」

【住】観光業では価格が物価に追いついていないということなんですね。確かに、観光業が勢いづき、賃金にも反映されていくと、長崎全体にも影響が出ますね。

【平】観光業に限らず、収益を拡大していくためには“付加価値”を高めて『良いものを高く売る』ことに舵を切っていく必要があります。
これまで通りの商品やサービスを、これまでと同じ価格で売るのでは “収益率”が悪くなるだけです。
原材料等の見直しや提供する商品やサービスの見直しにより、収益率を上げ、賃金を上げていかなければ『人手不足』も改善しません。