もっと今から考えておく
地域防災などに取り組み、東日本大震災や熊本地震で支援活動の経験もある「NPOみんなのくらしターミナル」の初鹿野 聡さんに話を伺います。
能登半島地震の被害を宮崎の防災に生かしていく必要があると思いますが、能登半島地震の被害はどのように受け止めていますか?

(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
私は、少しシビアな言い方になるのですが、「この地域でこういう被害が出たか」という見方をしています。
「地震が起こったらこうなるよ」という漠然とした見方ではなく、「ここの場所でこうだから、こういう被害が出た」という見方を、今、ニュースを見ながら、一つ一つ見ています。
どういったことなんでしょうか?
(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
地震が起こったから、確率的な被害が出るわけではなくて、そこの地域性であるとか、地形であるとか、歴史であるとかで被害は変わります。
だから、地震がまた起こったときに、宮崎で起こるかという見方は私は違うと思います。
ケースバイケースですし、そこの文化もあったり、歴史もあるわけです。
そういうところを冷静に、今回、この地震を見るというところが大事だなというふうに思っています。

建物の倒壊なども報道されていますが、どのように見ていますか?
(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
多分、耐震化が進んでなかったのだろうなというのと、逆にそういう古い町並みを観光に使っていたという背景もありますよね。その辺のところの兼ね合いを皆さん考えてますかと。
各地域、その辺も含めたトータルで考えると、ある意味、警鐘を鳴らしてくれていると思います。
今回の地震では、特有の地形や交通網の寸断で捜索や支援が遅れましたが、この点についてはどうですか?
(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
これもとってもシビアな言い方をします。
こうなることは、前からわかっていました。ボトルネックは地形的にわかっています。ということは、そこが閉じれば、海から行くしかないってこともわかっています。そこで津波が来て、港が壊れれば海から支援ができない。これも地図を見ればわかります。
そういうふうな冷静なものの見方が、今、「それぞれの備えとしてできてますか?」というふうにやっぱり見なければならない。
今回、地震が起こったからこうだ、大変だというのではなくて、もっと今から考えておく、宮崎も3か所ぐらいしか入るとこないとなったら、海からのアプローチを考えておくというのは、今でもできることです。
それを今回の地震の教訓として受け止めるべきだと私は思います。
◆2回目『「能登半島地震に匹敵するようなものが最大で想定されている」残りの南部の断層が動くリスクも』に続く

※MRTテレビ「Check!」1月9日(火)放送分を再構成